自分が変わること

月刊「点字ジャーナル」連載コラム

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

8,000mで何が起きるのだろう

2019年11月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 この秋、2カ月の長期休暇をとり、ネパール・ヒマラヤのダウラギリ1峰(8,167m)に登りに行くことにした。といってもどこまで登れるのか。かなり難しそうだが、目指せるところまで目指そう…

「鼻こそは全て」と言えるのか

2019年9月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 この夏、長期入院を経験した。といっても6泊7日なのだが、こんなに長いこと病院にいたのは初めてなので、つい「長期」と言いたくなる。副鼻腔炎と鼻中隔湾曲症の手術。要は鼻で呼吸ができ…

差別する心、そうではない心

2019年8月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 ハンセン病の元患者や家族への差別に対する国の責任を認めた今年6月の熊本地裁判決を、国側が控訴しない方針を7月9日に発表した。患者を隔離し、偏見をなくすための教育を怠った国が責め…

自分の心はラジオの心

2019年7月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 最近読んだ本にこんなくだりがあった。 <意識には見たものや聞いた言葉が自分の外側からやってくるということを見極める役割がある>。これはフランスの作家、ピエール・パシェという人が2…

親から子に何かが伝わる、どうしようもなさ

2019年5月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 前回、次男の留年について書いたが、結局、新しい道に進む勇気はないようで、再び3年生を続けることになった。 そんな折でも、私は原稿書きを続けている。今やっているのは「残すべき東京…

元気をなくした息子

2019年4月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 この前、職場の地下の食堂街で同僚の女性と丼物を食べていると、「あっ、私、もう行かなきゃ。これから面接」と言って彼女は席を立った。「面接?なんの?」と聞くと「あ、インターンの」「…