自分が変わること

月刊「点字ジャーナル」連載コラム

2025-01-01から1年間の記事一覧

断食で見えてきたこと

2025年12月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 先日、3日間の断食をした。これまで、経験者には何度も会ったが、自分でするのは初めてだ。食あたりや腸カタルで断食せざるを得なかったことはあったが、あえてやったことはなかった。 2025年10月半ば、南アフ…

南アフリカの「島々」を走り抜ける

2025年11月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 9月19日、南アフリカのヨハネスブルクに着くと、すぐにレンタカーで地方へ出かけた。各地に暮らす友人たちに25年ぶりに再会するのと、「カルー」と呼ばれる土地を見るのが目的だった。 まずはソウェトの居候先…

虫も殺せぬ男のハチ受難

2025年9月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 お盆恒例の沢登りに今年も出かけた。いつもと同じ、10歳下の沢登り名人、松原憲彦(のりひこ)との旅だ。秋山郷を南下し、新潟県境の長野県栄村から佐武流山(さぶりゅうやま)(2192m)を目指した。 初日は林道…

菅平、追想と欲望と

2025年9月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 この7月初め、浅間山近くの山に登った帰り、長野市の友人に会いに行った。車をとめた地蔵峠から南に行き、関越道に乗っても良かったが、同じ時間なので北の道を選んだ。ナビゲーションに従い車を走らせると、し…

ムトゥワと梅原猛

2025年8月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 連載をはじめるときはいつも身震いする気分だ。8月にはじめる連載のタイトルを「アフリカのシャーマン」、副題を「クレド・ムトゥワと神様」と先月書いた。が、それから1カ月がすぎ「不思議なムトゥワ」に変え…

シャーマンをどう書くか

2025年7月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 私は何をすべきなのか。南アフリカのシャーマン、クレド・ムトゥワのことだ。南アの古い友人から「お前は一度彼に会っている」と断言されながら、私は彼とのことが全く記憶になく、現時点でその証拠もつかんでい…

気の短いシェパード

2025年6月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 南アフリカ、ソウェトの居候先には毎日いろんな人がくる。家主のケレや妻のムバリ、離れに住んでいる息子夫婦はもちろん近所の人がよくくる。 「ウラレ・ガーヒェ(よく眠れた)?」「ウンジャニ(元気)?」と…

アフリカの男と女

2025年5月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 南アフリカを離れ帰国する前、近所のシェビーン(安酒場)に顔を出すと、かっぷくのいいママ・ロロがふてぶてしい声で言った。「アキオ!結局、あんたに紹介できないままだったね」。「何をだよ」と聞き返すと、…

夢と言語とアフリカと

2025年4月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 南アフリカのソウェトで二度目の居候を始めて4カ月がすぎた。まもなく日本に帰るが、最近、夢をズールー語でみるようになり、自分でも驚いて目覚めることがある。そんな夢はいつも穏やかだ。近所で行き交う人の…

違いと、同じ

2025年3月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 アフリカダニ熱にかかり寝込んでいる。1月下旬、南アフリカの東部ムプマランガ地方の山中で大量のダニに噛まれ、6日後に発熱し、それから1週間たっても治らない。37℃台前半の発熱が毎日朝夕2回訪れ、筋肉痛、倦…

ポーシャの涙

2025年2月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 いま暮らしている南アフリカの家はいわゆる2世帯住宅だ。平屋の母屋に友人ケレが妻のバリと女児と、離れの2階にケレの息子夫妻が12歳の娘と住んでいる。私の部屋は、離れの下の階だ。 ケレ夫妻、それにケレの息…